2016.9.19

歯科用ハイドロキノン、副作用の危険は

 ハイドロキノンとは写真現像剤や医薬品になっている他、化粧品にも使われている無色結晶です。シミ消しクリームの副作用として白斑が指摘されたりしていますが、歯科用もあることをご存じでしょうか。
 虫歯を削り、詰め物をしたことのある方は多いかと思います。その際最も頻繁に用いられるのが「コンポジットレジン」、通称CRというプラスチックで、1~2日で治療が終わる、歯に色が似ている、金属アレルギーの心配がないなど、多くの優れた点を持つ材料です。
 CRにも様々な種類があります。重合型で大別すると、「化学重合型」と「光重合型」に分けられ、後者は、光線を照射することで急速に硬化するタイプです。可塑性の高いペーストを好きな形に整えたあと、光を当てるだけで治療完了です。また、硬化させたのちに修復した歯の高さを調整した場合、すぐに削ることが出来るのも利点です。歯科用としてのハイドロキノンはこの光重合CRで、単量体を保存するための重合禁止剤として役割を果たしています。
 CRもメリットばかりではありません。臨床現場で問題視されているのは、接着面からの剥離や衝撃による破損です。CRが変形したり破損したりすることによって、歯と修復物の間に隙間が出来ることになり、虫歯になりやすくなります。虫歯は口腔内の細菌が糖質から酸を作り出すことで発生しますが、ハイドロキノンは非常に酸化されやすいので、酸が多い環境では脆くなってしまいます。
 万が一ハイドロキノンが口腔内で溶け出したとなると、重大な副作用の危険性があります。ラットの実験では腫瘍、甲状腺ガン、白血病の発生確率上昇が認められており、西欧諸国の多くでは人体への使用が禁止されています。
 今のところCRによる人体への副作用は報告されていませんが、歯科用としてハイドロキノンが安全な材料だとは決して言い切れない状況です。